抄録
担癌患者に発生した帯状疱疹に対し, 従来, 1日3回, 8時間毎にアシクロビル (ゾビラックス) を投与して優れた成績が報告されているが, 今回, 我々は主に外来患者を対象として1日1回500mgを投与し, その効果を検討した。対象とした患者の大多数が放射線療法, 抗がん剤などの投与に関連して発生したもので免疫能の低下が予想され, 一般の帯状疱疹より難治性と考えられた。しかし, 全体的に発赤, 水疱形成ならびに疼痛などの症状を抑制し, 緩解を早めたと考えられた。
効果判定は投与2週目に行い, 著明に改善したもの11例, 改善したもの9例, やや改善したもの4例であった。副作用は特に認められなかった。