皮膚の科学
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症例
臨床経過を観察し得た塩酸ミノサイクリンによる色素沈着の2例
米田 雅子黒川 晃夫上田 英一郎森脇 真一
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2012 年 11 巻 6 号 p. 532-537

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抄録

症例1は,67歳,男性。関節リウマチ等の治療目的で塩酸ミノサイクリン 100~200mg/日を4年9ヶ月にわたり内服していた。3年前より左足背と両下腿に色素沈着が出現した。病理組織所見で真皮上層のベルリンブルー染色陽性の含鉄物質の沈着を認めた。症例2は,31歳,女性。アトピー性皮膚炎の治療中に生じた尋常性ざ瘡に対し,当科初診の10日前より塩酸ミノサイクリン(投与量不明)を内服していた。投与開始5日目より,上下口唇に色素沈着が出現した。症例1,2共に塩酸ミノサイクリンによる色素沈着と診断し,同剤の内服を中止したところ,色素沈着は徐々に消退した。このような症例では通常塩酸ミノサイクリンの内服を中止しても色素沈着の消失をみるまでには長い経過を必要とすることが多い。この2例では経過を観察し得たので報告した。塩酸ミノサイクリンによる色素沈着は,投与日数や投与量に関係なく出現する可能性がある。特にアトピー性皮膚炎合併例では,短期間の少量内服でも色素沈着をおこすことがあり,注意を要する。(皮膚の科学,11: 532-537, 2012)

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© 2012 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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