抄録
アトピー性皮膚炎(AD)の最大の特徴はしつこいかゆみであり,睡眠時掻破によりAD 患者の睡眠の質は低下していると考えられる。特に小児では,良好な睡眠は,健全な成長・発達のみならず,患者QOL 向上のために不可欠である。睡眠の質・掻破を客観的に評価することは,今後ますます重要性を増すものと考えられる。我々はアクティグラフィーを利用して,小児AD 患者の睡眠・掻破行動を解析している。それにより,小児AD 患者では重症度に応じて睡眠の質が低下していること,掻破行動が増加していることが示された。アクティグラフィーは,小児AD 患者の睡眠の質・夜間掻破の客観的な分析法として今後の応用が期待される。(皮膚の科学,増18: 21-25, 2012)