皮膚の科学
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アトピー性皮膚炎の入院療法の有用性
―アンケート調査による皮膚および精神症状の改善度の検討―
向井 秀樹福田 英嗣鈴木 琢早乙女 敦子早出 恵里
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ジャーナル 認証あり

2012 年 11 巻 Suppl.18 号 p. 43-47

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抄録
アトピー性皮膚炎における入院療法の有用性を検討するために,当科に入院歴のある20 歳以上66 例のアンケート調査結果を解析。入院前の症状として,痒みが強いが最も多く,次いで仕事や勉強に支障といったパフォーマンスの低下,寝つきが悪いなどの睡眠障害や外出がしにくい外見上の問題などがあった。入院時の皮膚および精神症状は,退院時其々92%と79%と高率に改善した。さらに,退院後の治療に関するコンプライアンスやアドヒアランスの向上にも繋がった。退院後,現在の皮膚症状は76%が改善を維持していた。
QOL が大幅に改善する短期集中型の入院療法は,重症例の治療法として有用性が高いことが今回のアンケート調査で評価された。(皮膚の科学,増18: 43-47, 2012)
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© 2012 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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