皮膚の科学
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症例
ドロレス顎口虫血清抗体価が治療効果判定に有用であった日本顎口虫によると考えられる皮膚爬行症の1例
鈴木 健晋青島 正浩橋爪 秀夫伊藤 泰介戸倉 新樹
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2013 年 12 巻 2 号 p. 122-125

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抄録
42歳,女性。初診3週間前に,左側腹部にそう痒性皮疹が出現した。皮疹は線状の紅斑であり,皮膚症状の発現約1ヶ月前に青森産の生シラウオを摂食しているため,日本顎口虫による皮膚爬行症を疑った。イベルメクチンによる内服治療を開始し,一旦軽快した。しかしその1ヶ月後,症状が再燃したため再投与し,治癒した。日本顎口虫の抗体価は測定が困難なため,交差反応性を示すドロレス顎口虫に対する抗体価を測定しその推移にて評価した。この経過中,ドロレス顎口虫に対する抗体価は徐々に低下し,治療効果判定に有用であると考えられた。(皮膚の科学,12: 122-125, 2013)
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© 2013 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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