皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
Print ISSN : 1347-1813
ISSN-L : 1347-1813
症例
ジヒドロコデインリン酸塩による Stevens-Johnson 症候群の1例
羽田 孝司夏秋 優山西 清文
著者情報
ジャーナル 認証あり

2016 年 15 巻 3 号 p. 125-129

詳細
抄録
症例は40歳代,男性。嘔気と発熱に対してパブロン®Sゴールドを内服した翌日より全身にそう痒を伴う浸潤性紅斑が出現し,口唇のびらん,眼球結膜および眼瞼結膜の充血,角膜びらんを伴った。生検組織では強い表皮細胞の好酸性壊死と液状変性,表皮下水疱を認め,Stevens-Johnson 症候群(SJS)と診断した。ステロイドパルス療法で皮膚症状および眼症状は改善した。パッチテストの結果パブロン®Sゴールドとジヒドロコデインリン酸塩で陽性であり,ジヒドロコデインリン酸塩による drug-induced lymphocyte stimulation test(DLST)で stimulation index が319%であったため,自験例をパブロン®Sゴールドに含まれるジヒドロコデインリン酸塩による SJS と診断した。感冒薬には多数の薬剤が配合されていることがあるため,薬疹が疑われた場合には原因検索をしっかりと実施して,避けるべき薬剤を明確にしておくことが望ましい。(皮膚の科学,15: 125-129, 2016)
著者関連情報
© 2016 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top