2018 年 17 巻 5 号 p. 265-269
80歳代,男性。初診の数ヶ月前より頭部に紅斑とその周囲に脱毛斑,背部に紅色局面,上肢に淡紅色丘疹が出現し,生検の病理組織所見から follicular mucinosis(FM)と考えた。ステロイド外用で加療していたところ,初診の 2 年後より側頭部と後頭部に結節を認め,上背部に新生の紅斑が出現した。再度生検を施行し,folliculotropic mycosis fungoides(FMF)と診断した。内服 PUVA,外用PUVA の治療によって皮疹は改善傾向を示した。本症は PUVA 法による治療は奏功しないことが多いが,自験例では寛解し,また外用 PUVA を選択したことで外来での加療が可能であった。以上から高齢者の FMF では外用 PUVA も治療の選択肢になり得ると考えられた。 (皮膚の科学,17 : 265-269, 2018)