皮膚の科学
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症例
イソプロピルアンチピリンによる蕁麻疹型薬疹の 1 例
大山 綾子大迫 順子林 綾乃鶴田 大輔
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2019 年 18 巻 1 号 p. 33-37

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抄録

40歳代,女性。プレコールR 持続性カプセル内服約20分後に咽頭の瘙痒感が出現。その後全身に瘙痒感を伴う浮腫性紅斑が出現し拡大した。無治療で約 1 時間30分後に軽快した。プレコールR 持続性カプセル( 1 %,10aq.)と,その成分であるイソプロピルアンチピリン( 1 %,10aq.)でスクラッチテスト陽性であった。イソプロピルアンチピリン以外の,プレコールR 持続性カプセルに含まれる各成分を含有する 5 種類の薬剤の内服テストを施行したところ,すべて陰性であった。以上の結果より,本例をイソプロピルアンチピリンによる蕁麻疹型薬疹・即時型アレルギーと診断した。イソプロピルアンチピリンは様々な医療用医薬品や多種類の一般医薬品に含まれており,注意が必要であると考えた。 (皮膚の科学,18 : 33-37, 2019)

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© 2019 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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