2020 年 19 巻 1 号 p. 11-14
54歳,女性。約 5 年前から右足背に腫瘤が出現し,次第に瘙痒を伴うようになったため近医を受診,精査加療目的で紹介となった。初診時,辺縁が茶褐色で中央部が淡紅色の径 12×11 mm の下床との可動性良好な腫瘤を認めた。局所麻酔下に切除し,病理組織学的に cutaneous epithelioid angiomatous nodule(CEAN)と診断した。CEAN は2004年に提唱された疾患概念で,上皮様血管内皮細胞の増殖を特徴とする良性の血管病変であり,国内での報告は稀である。今回我々は,CEAN と他の上皮様血管内皮細胞が増殖する疾患との類似点や相違点について考察し,また自験例におけるダーモスコピー像について検討した。 (皮膚の科学,19 : 11-14, 2020)