皮膚の科学
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症例
骨髄異形成症候群患者に発症したアナフィラクトイド紫斑の1例
斧山 淳子小林 裕美石井 正光森 利雄日野 雅之岡村 幹夫
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ジャーナル 認証あり

2003 年 2 巻 3 号 p. 173-178

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抄録

60歳,男性。2001年6月頃より全身倦怠感が出現,近医にて貧血,血球異常を指摘された。当院血液内科に紹介され,骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome, MDS)の診断を受け,入院の上ステロイド内服,洗浄赤血球輸血にて治療中に,下肢に無症候性の紫斑が出現し,腹部・上肢に拡大し皮膚科受診となった。血小板数,凝固系に異常はなかった。皮膚生検によりアナフィラクトイド紫斑と診断した。また蛋白尿が出現し内科にて紫斑病性腎炎と診断された。MDSに伴う皮膚症状としては,Sweet病,壊疽性膿皮症などが知られているが,MDSとアナフィラクトイド紫斑の合併例は稀である。そこで,文献的に(1)MDSに伴う皮膚症状,(2)MDSとアナフィラクトイド紫斑の合併例,(3)アナフィラクトイド紫斑と悪性腫瘍との関連,(4)血管炎と悪性腫瘍の関連について調べ考察を加えた。

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© 2003 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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