皮膚の科学
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2 巻 , 3 号
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トピックス
  • 西嶋 攝子
    2003 年 2 巻 3 号 p. 155-159
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/01/06
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    ざ瘡の新しい治療とその問題点についてまとめた。新しい薬剤では1%クリンダマイシンゲルが発売されたが,海外ではすでに耐性菌への取り組みが行われている。新しい合成レチノイド(adapalene)が治験中であるが,使用可能となればざ瘡に対して本邦初のレチノイド剤となる。
    理学療法の分野ではケミカルピーリングが脚光を浴びているが,作用機序,手技,治療効果,など問題点も多い。理学療法では光線療法なども新しい治療法の1つである。
総説
  • 加藤 則人
    2003 年 2 巻 3 号 p. 160-167
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/01/06
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎患者では,しばしば血清IgE値や特異IgE抗体価の上昇がみられるが,IgEがその病態形成において演じる役割には不明な点が多い。高親和性IgEレセプター(FcεRI)は,即時型反応に関係するマスト細胞や好塩基球だけでなく,これまで遅延型過敏反応の主役と考えられていた抗原提示細胞にも発現しており,IgE-FcεRIを介してきわめて効率よくアレルゲンを取り込みT細胞に提示することから,IgE依存性遅延型過敏反応という概念を生み出した。IgE-FcεRI を介するシグナルは,その他にも多くの活性化現象を誘導しアトピー性皮膚炎の病態形成に関与していることから,本症の治療のターゲットにもなると考えられる。
症例
  • 亀山 裕子, 荒金 兆典, 川田 暁, 手塚 正
    2003 年 2 巻 3 号 p. 168-172
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/01/06
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    18才女性。初診の6ヵ月前から前胸部・項部に紅斑,丘疹,網目状の色素沈着が出現した。皮疹出現の4ヵ月前より体重減少がみられ生理も止まっていた。病理組織では軽度の表皮肥厚,基底層の液状変性,真皮上層の血管周囲に小円形細胞の浸潤を認めた。臨床像および病理組織学的所見より色素性痒疹と診断した。血中ケトン体分画は,アセト酢酸,3-ヒドロキシ酪酸,総ケトン体の上昇がみられた。尿中ケトン体は陰性であった。ミノサイクリン200mg/日内服2週間で血中ケトン体分画は正常となり,4週間内服によって皮疹は治癒した。自験例の発症において高ケトン血症が関与している可能性が示唆された。
  • 斧山 淳子, 小林 裕美, 石井 正光, 森 利雄, 日野 雅之, 岡村 幹夫
    2003 年 2 巻 3 号 p. 173-178
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/01/06
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    60歳,男性。2001年6月頃より全身倦怠感が出現,近医にて貧血,血球異常を指摘された。当院血液内科に紹介され,骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome, MDS)の診断を受け,入院の上ステロイド内服,洗浄赤血球輸血にて治療中に,下肢に無症候性の紫斑が出現し,腹部・上肢に拡大し皮膚科受診となった。血小板数,凝固系に異常はなかった。皮膚生検によりアナフィラクトイド紫斑と診断した。また蛋白尿が出現し内科にて紫斑病性腎炎と診断された。MDSに伴う皮膚症状としては,Sweet病,壊疽性膿皮症などが知られているが,MDSとアナフィラクトイド紫斑の合併例は稀である。そこで,文献的に(1)MDSに伴う皮膚症状,(2)MDSとアナフィラクトイド紫斑の合併例,(3)アナフィラクトイド紫斑と悪性腫瘍との関連,(4)血管炎と悪性腫瘍の関連について調べ考察を加えた。
  • 岡崎 布佐子, 荒田 次郎, 藤本 康子
    2003 年 2 巻 3 号 p. 179-182
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/01/06
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    59歳女性。便秘のため市販のセンナ製剤内服中に,下腿に苔癬化局面が出現し,四肢体幹に拡大した。センナ製剤の内服を中止しステロイド外用で加療し皮疹は軽快していたが,便秘のためはからずもセンナを内服した機会と,アロエを内服した機会に皮疹が再燃したため原因が確定した。
  • 臼井 理枝子, 森下 宣明, 二宮 淳也, 清 佳浩
    2003 年 2 巻 3 号 p. 183-187
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/01/06
    ジャーナル 認証あり
    症例1:50歳男性。幼児期よりてんかんに罹患。平成12年8月よりカルバマゼピンの内服を開始,10月より発熱とともに全身に紅斑,浮腫が生じた。ステロイドの全身投与により軽快したが,減量後再燃を繰り返し,治癒までに2ヵ月間を要した。症例2:54歳女性。脳梗塞後遺症に対し平成13年6月よりゾニサミドの内服を開始したところ,7月より下痢,全身の紅斑,浮腫,発熱が出現。某医で加療されるも改善せず,ショック,DICを生じ当院救命センターに入院となった。ステロイドを使用し全身状態,皮疹は改善するも漸減中に再燃,ステロイドの内服を完全に中止するまで5ヵ月間を要した。2例ともHHV-6IgGが高値を示した。
  • 笹田 昌宏, 松井 美萌, 服部 ゆかり
    2003 年 2 巻 3 号 p. 188-191
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/01/06
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    18歳,女性。当科初診の1ヵ月前より臍部からの排膿を認め,臍炎の診断にて抗生物質による加療が行われていた。当科初診時には,臍周囲部と背部に落屑を伴った紅斑が認められ,尋常性乾癬と診断した。その後3ヵ月の間に円錐状に高度に隆起した疣状結節性痂皮を多数認めるようになり,臨床像および病理組織所見から本症例を蠣殻状乾癬と診断した。ステロイド剤の外用およびシクロスポリン3mg/kgを投与し軽快した。その後,2年間の経過観察期間中,蠣殻状乾癬の再発は認めていない。
  • 二瓶 望, 比留間 政太郎, 池田 志斈, 小川 秀興, 福代 良一
    2003 年 2 巻 3 号 p. 192-196
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/01/06
    ジャーナル 認証あり
    71歳,女性,2年前より顔面と両上肢に環状の紅斑が出現した。某医で治療を受けたが,改善しないため受診。初診時,顔面と上肢に小指頭大までの楕円形で環状,紅色の軽度の萎縮性局面を多数認めた。生検組織像では真皮全層に非乾酪性類上皮肉芽腫を認め,局面型皮膚サルコイドと診断した。治療として,ステロイド外用療法,ステロイド内服療法およびミノサイクリン内服療法などを試みた。ステロイド内服療法およびミノサイクリン内服療法時のみ皮疹の軽度の改善を認めたが,皮疹は難治であった。皮膚サルコイドの治療について若干の文献的考察を加えた。
  • 横関 真由美, 菅原 弘士, 小林 衣子
    2003 年 2 巻 3 号 p. 197-200
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/01/06
    ジャーナル 認証あり
    症例1 : 81歳男。症例2 : 48歳男。ともに背部の自覚症状のない結節を主訴に受診。2例とも真皮内の充実性腫瘍細胞巣と大小の嚢腫,管腔構造をもつ汗腺系腫瘍であった。症例1ではclear cellやepidermoid cellが主体で,断頭分泌所見を認め,apocrine hidradenomaと考えた。症例2ではporoid cellやcuticular cellが主体で,poroid hidradenomaに似るが,clear cell様の細胞や多数のmucinous cellも認められた。poroid hidradenomaの中にはアポクリン系への分化を示すものも含まれている可能性があると考えた。
  • 松下 記代美, 山崎 文恵, 前田 晃, 荒金 兆典, 川田 暁, 手塚 正
    2003 年 2 巻 3 号 p. 201-205
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/01/06
    ジャーナル 認証あり
    有棘細胞癌は一旦化学療法や放射線療法に抵抗性を獲得すると治療に難渋する場合が多く,効果的な治療法の開発が求められている。この観点から言うと,少なくとも対癌免疫能の再活性化は治療抵抗性の癌に罹患している患者に残された最後の可能性の一つである。そこで我々は浸潤性有棘細胞癌に対しインターロイキン2(IL-2)の腫瘍内投与を行い良好な結果を得たのでここに報告する。患者75歳,女性。右下肢の再発性の多発性有棘細胞癌に対し10日間IL-2の局所投与を行った。IL-2の投与により腫瘍のサイズは著明に縮小し,免疫染色を行ったところ腫瘍周囲にCD1a陽性細胞の浸潤,CD8陽性T細胞優位の細胞浸潤を認め,in situ TUNEL染色上腫瘍細胞のアポトーシスを認めた。以上の結果より治療抵抗性の皮膚SCCに対しIL-2腫瘍内局注は有効であることが示唆された。
  • 佐藤 浩子, 小野 秀貴, 佐々木 毅
    2003 年 2 巻 3 号 p. 206-209
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/01/06
    ジャーナル 認証あり
    91歳,女性。13年前に左乳癌(StageII,組織型は粘液癌)で左乳房切除及びリンパ節郭清術を施行された。約4年前より左鎖骨下に腫瘤が出現,徐々に増大したため当科を受診。病理組織学的に真皮下層に粘液癌の特徴を有する腫瘍細胞巣を認めた。左鎖骨下の腫瘤と9年前の左乳癌において免疫組織学的検査を行ったところ,ともにBRST-2,EMA,エストロゲンレセプターは陽性,CEAは陰性であった。画像検査では他に転移を示唆する所見や他の悪性腫瘍などは認めず,病理組織および免疫学的所見より9年前の乳癌のdelayed cutaneous metastasesと診断した。
  • 上奥 敏司, 寺前 浩之, 石井 正光
    2003 年 2 巻 3 号 p. 210-213
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/01/06
    ジャーナル 認証あり
    73歳,男性。初診の約1年前から,胸部に紅色調で弾性硬の結節がみられるようになった。近医にて冷凍凝固術などの治療を受けるも軽快せず,平成12年2月,当科初診となった。臨床像から隆起性皮膚線維肉腫などの可能性を疑い皮膚生検を施行した。真皮膠原線維間に核異型性を有し腺管様構造を示す腫瘍細胞の集塊が認められた。prostate specific antigen(PSA)染色にて浸潤細胞に一致して陽性所見がえられ,前立腺癌の皮膚転移と確定診断した。
  • 五島 順子, 原 弘之, 鈴木 啓之, 上原 麻由, 岡本 竹春
    2003 年 2 巻 3 号 p. 214-217
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/01/06
    ジャーナル 認証あり
    30歳,女性。14歳時より全身性エリテマトーデスと診断され,プレドニゾロンの投与を受けていた。初診2年前に,臀部や両下肢に褐色の隆起性病変が出現し,徐々に増大し,新たな皮疹が生じてきた。初診時,体幹,四肢に32個の拇指頭大までの褐色丘疹あるいは結節が多発散在していた。病理組織像は皮膚線維腫で,その病巣直上の真皮に限局してムチンが沈着していた。膠原線維間に沈着した免疫複合体が線維芽細胞の増殖を促進し,ムチン沈着ならびに膠原線維の増生を促したと推測した。
  • 年名 優美, 前島 精治, 落合 宏司, 幾井 宜行, 草壁 秀成, 清金 公裕
    2003 年 2 巻 3 号 p. 218-223
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/01/06
    ジャーナル 認証あり
    19歳女性。初診時,右上腕に直径1cmの平坦な青色斑を認め,その直下に直径2cmの皮下硬結が存在した。HE染色で腫瘍細胞が花むしろ様配列を示し,色素顆粒を有する細胞が散在。核の大小不同とその異型性は軽度。免疫組織化学的に紡錘形腫瘍細胞はVimentin染色とCD34染色で陽性,factorXIIIaで陰性。色素含有細胞はS-100蛋白,NSE染色,抗HMB-45抗体に陽性,鉄染色に陰性。非隆起性の色素性隆起性皮膚線維肉腫と診断し,3cm離して筋膜下,一部筋肉を含めて広範囲切除し植皮術を施行した。
  • 松下 記代美, 荒金 兆典, 川田 暁, 手塚 正
    2003 年 2 巻 3 号 p. 224-227
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/01/06
    ジャーナル 認証あり
    9歳,男性。平成13年3月頃より自覚症状の無い丘疹が体幹に多発してきたため当科受診した。初診時,淡紅色~紅色を呈し,癒合傾向が無く光沢のある粟粒大~米粒大の丘疹が体幹に多発していた。眼瞼・腱・手掌などに同様の皮疹は認めなかった。病理組織検査のHE染色では,真皮上層~中層にかけて比較的小型の泡沫細胞を散在性に認めTouton型巨細胞も認めた。血清脂質検査を行なったところトリグリセリドおよびコレステロール値は正常で脂質代謝異常を認めなかった。自験例に特徴的な臨床像,病理組織像および血清検査成績より,我々は自験例を成人性多発性黄色肉芽腫と診断した。
  • 岸川 智子, 良田 陽子, 田邉 洋, 田中 俊宏
    2003 年 2 巻 3 号 p. 228-231
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/01/06
    ジャーナル 認証あり
    57歳,女性。1999年6月26日にマダニに咬着された。自身の指でマダニを除去し,ステロイドを外用したが刺し口を中心に紅斑は急速に拡大し,左体幹に分布する帯状の鮮紅色紅斑を形成し,筋肉痛を伴ったため来院した。遊走性紅斑の臨床像より,ライム病を疑い,刺咬部の外科的切除と同時に,benzyl-penicillin benzathine, minocycline hydrochlorideの内服療法を開始したところ奏効した。ライム病抗体が陽性であり,ライム病と診断した。その後3年の経過で続発症は認めない。
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