皮膚の科学
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症例
成人性多発性黄色肉芽腫の1例
松下 記代美荒金 兆典川田 暁手塚 正
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2003 年 2 巻 3 号 p. 224-227

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抄録

9歳,男性。平成13年3月頃より自覚症状の無い丘疹が体幹に多発してきたため当科受診した。初診時,淡紅色~紅色を呈し,癒合傾向が無く光沢のある粟粒大~米粒大の丘疹が体幹に多発していた。眼瞼・腱・手掌などに同様の皮疹は認めなかった。病理組織検査のHE染色では,真皮上層~中層にかけて比較的小型の泡沫細胞を散在性に認めTouton型巨細胞も認めた。血清脂質検査を行なったところトリグリセリドおよびコレステロール値は正常で脂質代謝異常を認めなかった。自験例に特徴的な臨床像,病理組織像および血清検査成績より,我々は自験例を成人性多発性黄色肉芽腫と診断した。

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© 2003 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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