皮膚の科学
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症例
腹腔内出血をきたした神経線維腫症 1 型の 1 例
宗元 紗和藤島 智慧子日置 千華佐々木 洋香吉田 はる香工藤 比等志川崎 有亮白潟 義晴山本 鉄郎
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2022 年 21 巻 3 号 p. 157-161

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抄録

神経線維腫症 1 型(レックリングハウゼン病,NF-1)の53歳女性。突然発症した腹痛のため救急搬入された。入院時の造影 CT で上腸間膜動脈瘤と腹腔内出血を指摘され,動脈瘤破裂による腹腔内出血と診断された。経過中に複数回の腹腔内出血があり, 3 回の血管内治療と 2 回の開腹手術による空腸部分切除,膵頭十二指腸切除を要した。膵頭十二指腸切除時の摘出病理標本では広範囲の出血と血管周囲を含む間質で増殖する神経線維腫細胞がみられた。NF-1 における皮膚以外の血管病変に伴う大出血は比較的稀であり,皮膚科領域からの報告は少ないが,他領域ではかなり多数の報告がある。NF-1 患者で大きな侵襲を伴う処置,手術を要する場合は集学的治療の可能な基幹病院で行う必要があると考えた。また患者にも緊急時には基幹病院へ搬送を希望するよう説明しておくことが望ましいと思われる。 (皮膚の科学,21 : 157-161, 2022)

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© 2022 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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