2022 年 21 巻 4 号 p. 272-275
48歳,男性。16年前に他院で後頸部の皮下腫瘍を切除されたが,その後再発して増大傾向を認めたため当科紹介受診となった。初診時,後頸部中央から右側にかけて 90×45 mm 大のやや軟の比較的境界明瞭な皮下腫瘍を認めた。病理組織学所見として真皮から皮下組織にかけて不規則な太い膠原線維の増生を認め,腫瘍内の脂肪組織や神経組織を取り囲む像を伴っていた。免疫染色では膠原線維間の紡錘形細胞は CD34 陽性,CD99 陽性,ビメンチン陽性であった。以上より自験例を nuchal-type fibroma と診断した。これまでの本邦報告例は少なく稀な疾患であるが,再発することがあるため,術後の定期的な観察が必要であると考えた。 (皮膚の科学,21 : 272-275, 2022)