2022 年 21 巻 4 号 p. 276-282
75歳男性。CT 造影剤 Iopamidol(オイパロミン○R )を投与後にアナフィラキシーショックを生じ,精査目的に入院となった。ヨード造影剤投与後の即時型反応は今まで,直接的なヒスタミン遊離作用の影響や非特異的な補体の活性化など非アレルギー性の機序が原因のことが多いと考えられていたが,近年になり,即時型反応の中には薬剤特異的な真の IgE 介在性のアレルギーが存在し,これらは皮内テストで鑑別できるという報告が増えている。我々は過去の文献からヨード造影剤アレルギーの鑑別方法について記載がある文献を参考にして,検査プロトコールを作成した。プロトコールに従い,自験例に対し Iopamidol の10倍希釈溶液の皮内テストを実施したところ,皮内テスト即時反応が陽性であった。他のヨード造影剤の皮内テストはすべて陰性であった。被疑薬である Iopamidol のみが陽性であり,自験例は Iopamidol 単独に対する即時型アレルギーであることが診断できた。 皮内テストが陰性であった Iohexol は静脈内投与試験でも症状を認めず,代替薬として使用可能であった。ヨード造影剤アレルギーに関してはまだ不明な機序も多いが,このようなプロトコールを考案することはヨード造影剤によるアレルギー反応鑑別のために有用であり,さらに今後使用可能な代替造影剤が判明することは患者にとって非常に有益であると思われる。今後も作成したプロトコールを用いて造影剤アレルギーが疑われる症例を検査し,症例蓄積やさらなる改良に努めたい。 (皮膚の科学,21 : 276-282, 2022)