抄録
症例は17歳男性。約1年前,陰茎部の嚢腫に気付いた。嚢腫は冠状溝に沿って陰茎縫線に接してみられた。陰茎縫線嚢腫を疑い全切除術を施行した。組織学的に嚢腫壁は多列円柱上皮で構成されており,一部で断頭分泌様所見を認めた。免疫組織染色ではCEAのみ陽性で,パンケラチン,α-SMA,EMA,GCDFP-15は陰性であり,アポクリン腺由来である可能性は少ないと思われた。臨床像と組織像から自験例を陰茎縫線嚢腫と診断した。陰茎縫線嚢腫は傍尿道口嚢腫と傍尿道口嚢腫以外の縫線嚢腫があるが,自験例はその発生部位から傍尿道口嚢腫と考えられた。