皮膚の科学
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症例
懸垂性神経線維腫に巨大血腫を形成したレックリングハウゼン病の1例
小倉 千香夏秋 優宮田 明子林 義明南 祥一郎伊藤 孝明
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2004 年 3 巻 1 号 p. 34-37

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抄録
37歳,男性。4歳時にレックリングハウゼン病と診断され,5歳頃より腰部右側の腫瘤は徐々に増大していたが,初診の3日前から急激に腫瘤が増大したため,当科に入院した。CTにて腫瘤の内部に不均一な血腫像を認め,貧血が進行したためpachydermatocele内の出血と診断した。入院の翌日に全身麻酔下に腰部右側のpachydermatoceleを摘出した。摘出した腫瘤の重さは2.2kgであり,出血量は4010mlで800mlの輸血を必要とした。レックリングハウゼン病にみられるpachydermatoceleは,切除時に大量に出血することが知られており,積極的な手術は行われていないのが現状であるが,増大傾向の強いものでは早期の手術加療を考慮すべきであると考えた。
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© 2004 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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