皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
Print ISSN : 1347-1813
ISSN-L : 1347-1813
症例
Syringomatous Carcinomaの1例
澤井 治子中川 浩一鶴田 大輔上原 慎司石井 正光
著者情報
キーワード: 汗管腫様癌, 手背, 骨浸潤
ジャーナル 認証あり

2004 年 3 巻 2 号 p. 206-210

詳細
抄録
71歳,男性。syringomatous carcinoma(SC)の1例を報告した。初診の約5年前に右手背の小指側に直径5mmほどの無症候性の丘疹を自覚していた。その後,病変は次第に増大し,中央が潰瘍化し,疼痛も伴ってきたので当科を受診した。初診時,右手背に4×8cmの暗紫赤色の硬い局面があり,皮表よりわずかに盛り上がり,中央部に2×3.5cmの潰瘍が見られた。生検標本から有棘細胞癌が疑われ,全摘した。切除標本の病理組織像ではオタマジャクシ様の管腔を含めた汗管・汗腔様構造が多数見られ,骨浸潤を伴ったSCと診断した。文献的考察を加えたが,本邦例において手部での発生例が多いことが示された。
著者関連情報
© 2004 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top