2004 年 3 巻 3 号 p. 266-270
掌蹠多汗症患者おける交流式イオントフォレーシス前後の汗中ナトリウム,カリウムイオン濃度,発汗量を測定した。その結果,健常者及び,多汗症患者ともにイオントフォレーシス施行後,ナトリウム,カリウムイオン濃度ともに低下した。また多汗症患者においてナトリウム,カリウムイオン濃度及び,発汗量ともにイオントフォレーシスの回数を重ねるごとに減少する傾向がみられた。汗中ナトリウム濃度が減少していた事からみて交流式イオントフォレーシスの効果は能動汗腺数の減少というよりも導管部の再吸収機構の変化が関与した複雑な機序による可能性が示唆された。