近年,顔面・頚部への外用療法としてタクロリムス軟膏が新しい選択肢となったが,これまでに抗アレルギー薬によるタクロリムス軟膏の減量維持効果に関する報告はみられない。今回我々は,抗アレルギー薬がタクロリムス軟膏の減量維持効果を示すかどうかについて顔面の皮疹を有するアトピー性皮膚炎患者を対象に検討した。導入期間として顔面・頸部の皮疹に対してタクロリムス軟膏を1日1回単純塗布し,無作為にセチリジン10mgまたはエピナスチン20mg1日1回の経口投与をおこなった。2~3週間後に顔面・頸部の皮疹が改善した患者のタクロリムス軟膏塗布を2日に1回に減量し,セチリジン,エピナスチン,ビタミンB
2製剤投与群に無作為に割り付け,2週間毎に皮疹およびそう痒の程度を観察した。セチリジン投与群はビタミンB
2製剤投与群に比べ,タクロリムス軟膏を減量しても顔面・頸部の皮疹およびそう痒に対する効果が維持できることが証明された。
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