皮膚の科学
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症例
1家系4世代にみられた色素失調症
藤井 啓子宗 弘荻野 慶太郎藤原 亨田辺 敏明岡本 真道弓削 堅志今泉 正仁
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2004 年 3 巻 4 号 p. 378-383

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抄録

1歳5ヵ月女児,第1子。生下時より躯幹,四肢に米粒大から小豆大の小水疱・膿疱が散在性にみられた。外観上明らかな奇形はなかった。網膜下出血が生後3ヵ月間認められたが,自然消退した。小水疱の病理組織所見は表皮内水疱で,水疱内の主たる浸潤細胞は好酸球であった。水疱は生後10日過ぎまで増加し,末梢血好酸球数もピークとなった。生後1ヵ月には疣状苔癬部を認め,生後2ヵ月には色素沈着となった。本家系内に血族結婚はない。曾祖母,祖母世代5姉妹のうち3女,4女,5女およびその子,孫の4世代にわたり9人に本症発症を認めたが,重篤な眼,中枢神経,筋・骨格の合併症はなかった。祖母,母の姉,母,患児の頭頂部に脱毛を認めた。

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© 2004 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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