抄録
研究評価に際し,EBMでは「どのような患者に(P)」,「何をすると(E)」,「何に比べて(C)」,「どうなるか(O)」という要素(PECO)からなる臨床的疑問を定式化することが推奨される。抗ヒスタミン薬の臨床試験には,PECOの各要素の定義が曖昧で臨床的疑問に明確に回答できていない(すなわち臨床的意義が低い)ものが多かった。これらの問題をクリアーし,エビデンス・レベルも高い研究を9件確認したが,アウトカム提示に改善の余地ありと考えた(アウトカム2分法など)。エビデンスが日常診療に反映され難い理由として,設定の差異,特にコンプライアンスや主療法の適否の問題が考慮された。