アトピー性皮膚炎と皮膚真菌症,特に癜風菌との関係について検討した。
抗ピチロスポルム(癜風菌)IgE RAST抗体高値は,重症のアトピー性皮膚炎特に頭頚部に皮疹を有する症例で認められる。癜風菌による皮疹増悪のメカニズムについては今後さらなる研究が必要である。
アトピー性皮膚炎病巣部では非培養法を用いた研究から11種の癜風菌のうち
M.globosaないしは
M.restrictaが多く認められた。抗ピチロスポルムIgE抗体に使用されている抗原は
M.sympodialis由来であり,今後
M.globosaないしは
M.restrictaの種特異的抗原を用いた研究が必要であろう。
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