抄録
アトピー性皮膚炎(AD)における血清IgE値は,重症度に相関し,また喘息保有群などで高値を示し、長期的なグローバルな指標として有用である。AD患者の自己血清中IgEがT細胞の活性化に関与する報告が認められており,IgEと湿疹病変の直接的な関連も示されている。IgE RASTは抗原検索に有用であるが,これらがすべての特異抗原を確定するわけではないため,抗原検索にはスクラッチ,プリックテストなどの皮内試験を施行し,総合的に検討すべきである。TARC/CCL17,CCR4は近年発見されたTh2細胞に関与するケモカインであり,ADの病勢を反映し,短期的な指標として有用なマ-カ-である。