皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
Print ISSN : 1347-1813
ISSN-L : 1347-1813
症例
黄体ホルモン製剤による薬剤性アナフィラキシーが疑われた1例
山中 滋木橋本 洋子岡本 祐之堀尾 武
著者情報
ジャーナル 認証あり

2006 年 5 巻 1 号 p. 19-21

詳細
抄録
48歳女性。不正性器出血に対し,近医にて卵胞ホルモン剤を静注して帰宅後,卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤(ノアルテン®D)を内服した。その20分後頃より全身性蕁麻疹,咽頭違和感,呼吸困難等の症状が出現してきたため,当院を受診し,薬剤性アナフィラキシーと診断された。点滴加療にて症状消退後,施行した上記配合剤と黄体ホルモン成分(ノルエチステロン)のスクラッチテストは陽性を示し,卵胞ホルモンやその他の成分は陰性であった。黄体ホルモン成分が原因と考えられたが,問診によれば過去に同成分を含む製剤の投与歴はないとのことで,女性ホルモンに対する自己免疫反応の関与が示唆された。
著者関連情報
© 2006 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top