抄録
48歳女性。不正性器出血に対し,近医にて卵胞ホルモン剤を静注して帰宅後,卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤(ノアルテン®D)を内服した。その20分後頃より全身性蕁麻疹,咽頭違和感,呼吸困難等の症状が出現してきたため,当院を受診し,薬剤性アナフィラキシーと診断された。点滴加療にて症状消退後,施行した上記配合剤と黄体ホルモン成分(ノルエチステロン)のスクラッチテストは陽性を示し,卵胞ホルモンやその他の成分は陰性であった。黄体ホルモン成分が原因と考えられたが,問診によれば過去に同成分を含む製剤の投与歴はないとのことで,女性ホルモンに対する自己免疫反応の関与が示唆された。