皮膚の科学
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症例
Transepidermal eliminationを示し,趾背に生じたSpitz nevusの1例
升田 貴子羽尾 貴子鎌田 英明原 弘之
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キーワード: 趾背, Spitz nevus, 経表皮排泄
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2006 年 5 巻 1 号 p. 42-44

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抄録
37歳,女。約2年前より右第2趾背に径5mmほどの褐色色素斑を認め,半年前より急速に拡大,隆起してきた。初診時,右第2趾背に径8mmの境界明瞭なドーム状の褐色結節を認めた。組織は表皮から真皮浅層にかけて左右対称性に,核異型の少ない,紡錘形の核を持つ細胞が境界明瞭な胞巣を形成していた。腫瘍細胞はS-100陽性,NK1C3陽性,HMB-45陰性であり,Spitz nevusと診断した。腫瘍中央部では,腫瘍細胞巣の経表皮的排泄が見られた。趾背に生じるSpitz nevusはまれであり,経表皮排泄を伴う例はきわめてまれであると考えた。
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© 2006 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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