2006 年 5 巻 3 号 p. 235-238
Tufted hair folliculitisは頭部に瘢痕性紅斑局面を呈し,病巣部の開大した毛孔から束状に毛髪がみられるという特異な臨床像を示す疾患である。
症例は54歳,女性。既往歴に慢性腎炎あり。頭頂部に1年前より出現し,徐々に増大し径5cm大となった瘢痕性紅色局面を主訴に当科を受診した。病変部に束状で疎な易脱毛性の毛髪が散在性にみとめられ,病変の一部から排膿も観察された。ロキシスロマイシンを1ヵ月間内服したところ病巣の炎症所見は消失し,脱毛を伴う瘢痕性局面を残して治癒した。