皮膚の科学
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症例
頭頂部皮膚に転移した腎癌の1例
河野 晃子吉田 有紀前川 直輝國行 秀一鈴木 伸典杉本 俊門
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キーワード: 転移性皮膚腫瘍, 腎癌, 頭部
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2006 年 5 巻 6 号 p. 415-419

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抄録
60歳女性。平成7年に右側腎癌と診断され,右腎摘出術を施行された。以降,左腎,肺,脳,膵と多臓器に転移が見られ,化学療法や放射線療法にて加療されていた。平成17年9月頃より頭部に出血性の腫瘤が出現し,12月に当科を初診。頭頂部に,約7mm,ドーム状の可動性良好な紅色腫瘤が認められた。局所麻酔下に腫瘤を摘出したところ,腫瘍細胞は,異型性が強い大小不同の核と明るく比較的大きな胞体を有し,腎癌の淡明細胞に類似していたため,腎癌の皮膚転移と診断した。以降も泌尿器科にて通院治療を継続していたが,皮膚転移発症確認より約10ヵ月後に死亡された。
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© 2006 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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