皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
Print ISSN : 1347-1813
ISSN-L : 1347-1813
5 巻 , 6 号
選択された号の論文の20件中1~20を表示しています
カラーライブラリー
症例
  • 皿山 泰子, 高井 利浩, 村田 洋三, 熊野 公子
    2006 年 5 巻 6 号 p. 381-384
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    68歳,男性。乳房外Paget癌に対し,3投1休ドセタキセル療法を行った。1クール終了1ヵ月後よりドセタキセル注射部位の前腕に静脈の走行に沿って粗大な網目状の褐色色素沈着が出現した。静注を繰り返すごとに色素沈着は増強した。
  • 前田 真紀, 小林 信彦, 浅田 秀夫, 宮川 幸子
    2006 年 5 巻 6 号 p. 385-388
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    患者は33歳,女性。平成15年8月頃より鼻背部に粟粒大の赤色丘疹が多発した。顔全体に拡大し,平成16年2月26日に当科を受診した。酒さの疑いでミノサイクリン100mg/dayを処方した。3月末より増悪し,蝶形紅斑となった。また,口腔内にも潰瘍を繰り返し認めるようになった。血液検査では白血球の低下,補体価の低下,抗核抗体の高値を認めた。組織学的に表皮基底層および毛包上皮の液状変性を認めた。診断基準4項目を満たし,SLEと診断した。プレドニン®投与により,皮疹ならびに検査値の改善を認めた。
  • 若林 麻記子, 田澤 隆広, 冨士森 英之
    2006 年 5 巻 6 号 p. 389-393
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    50歳,男性。40歳頃に糖尿病を指摘されていたが,無治療で放置していた。右足から下腿の発赤,腫脹が出現し,X線上皮下ガス像を認め,ガス壊疽と診断した。膿よりG群β-Streptococcusを検出した。緊急デブリドマンを施行し,抗生剤の点滴を約2週間行い,約6週間後にメッシュ植皮術を施行した。約2ヵ月間で略治した。
  • 石川 千香, 夏秋 優, 山西 清文
    2006 年 5 巻 6 号 p. 394-400
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    C型肝炎に伴ったクリオグロブリン血症性紫斑の5例を経験した。症例1:64歳,女性。症例2:65歳,女性。症例3:65歳,女性。症例4:78歳,女性。症例5:89歳,男性。臨床的にはそう痒を伴う米粒大から大豆大の一部浸潤を触れる紫斑が両下肢全体に散在性に認められた。血液検査所見では,全例に免疫グロブリン上昇および補体低下があり,5例中4例でリウマトイド因子が陽性であった。また、5例中2例に尿潜血および尿蛋白が陽性であった。皮疹部から生検を行った3例では,組織学的に真皮上層の壊死性血管炎の像が認められた。全例においてステロイド外用や抗アレルギー剤の内服,安静にて症状は軽快したが,長時間の立ち仕事や疲労により皮疹の出没を繰り返した。
  • 八町 祐宏, 吉澤 さえ子, 井出 葉子, 横林 敏夫
    2006 年 5 巻 6 号 p. 401-405
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    症例1:26歳女性(姉)。症例2:24歳女性(妹)。母,母方祖父に同症がある。姉妹ともに多発性顎骨嚢胞,手掌小陥凹,大脳鎌の石灰化,両足II趾・III趾の合趾症がみられる。姉には上背部・頭部などに多発性基底細胞癌がみられたが,妹には色素性母斑がみられたのみであった。Evansらの診断基準に姉妹ともに合致した。本疾患の主要な臨床症状およびその発現頻度について本邦報告例と海外報告例とを比較検討した。
  • 藤原 美智子, 大津 詩子, 森脇 真一, 清金 公裕, 徐 信夫
    2006 年 5 巻 6 号 p. 406-410
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    64歳,男性。初診の10日前に下顎部及び左鼻孔部の腫瘤に気づき当科を受診した。初診時,下顎部及び左鼻孔部にそれぞれ直径約10mmと5mmの淡褐色の結節が存在した。下顎部および左鼻孔部の結節を摘出したところ,病理組織学的に腫瘍は皮膚面から乳頭状に突出し,大小の小葉構造より構成され,その小葉中央部には細胞質に泡沫状構造を持った脂腺細胞類似の細胞,小葉辺縁部にはクロマチンに富んだ核を有する基底細胞類似の細胞が認められたことから,本腫瘍を脂腺腫と診断した。また患者は直腸癌と膀胱癌を合併していることより本腫瘍をMuir-Torre症候群と考えた。
  • 小川 晴子, 渡邉 晴二, 阿部 真也, 田邉 洋, 望月 隆
    2006 年 5 巻 6 号 p. 411-414
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    82歳,男性。初診の約10年前より恥丘部に自覚症状のない皮膚腫瘤が出現,徐々に増大。初診時,恥丘部から陰茎部にかけ15×20mm,弾性硬,中心に潰瘍形成を伴う紫褐色の結節を認めた。結節潰瘍型基底細胞癌を疑い,切除術を施行。病理組織学的所見より基底細胞癌(以下,BCC)と診断した。術後,6ヵ月経過したが再発は認めない。
    1990年から2006年までの当院皮膚科で経験したBCC52例のうち,外陰部に生じた例は自験例のみであった。
  • 河野 晃子, 吉田 有紀, 前川 直輝, 國行 秀一, 鈴木 伸典, 杉本 俊門
    2006 年 5 巻 6 号 p. 415-419
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    60歳女性。平成7年に右側腎癌と診断され,右腎摘出術を施行された。以降,左腎,肺,脳,膵と多臓器に転移が見られ,化学療法や放射線療法にて加療されていた。平成17年9月頃より頭部に出血性の腫瘤が出現し,12月に当科を初診。頭頂部に,約7mm,ドーム状の可動性良好な紅色腫瘤が認められた。局所麻酔下に腫瘤を摘出したところ,腫瘍細胞は,異型性が強い大小不同の核と明るく比較的大きな胞体を有し,腎癌の淡明細胞に類似していたため,腎癌の皮膚転移と診断した。以降も泌尿器科にて通院治療を継続していたが,皮膚転移発症確認より約10ヵ月後に死亡された。
  • 土井 理左, 為政 大幾, 伊庭 仁樹, 堀尾 武
    2006 年 5 巻 6 号 p. 420-423
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    75歳女性。初診の約20年前に心窩部の腫瘤を切除され,その2年後より同部位に腫瘤が再発したが放置していたところ,3ヵ月前より,発赤と熱感を伴って急激に腫瘤が増大した。腫瘤は直径7cmの弾性硬のドーム状の腫瘤であった。皮膚生検にて悪性腫瘍が疑われ,初診の1ヵ月後に腫瘍切除術と遊離植皮術を行った。病理組織学的に核の異型性と多数の核分裂像を伴う紡錘型細胞が密に増殖していた。免疫染色にてvimentinとS-100蛋白が陽性であった。家族歴にも既往歴にもvon Recklinghausen病(I型神経線維腫症;NF1)の症候はなく,悪性神経鞘腫のNF1非合併例と診断した。局所切除の約8ヵ月後に右腋窩のリンパ節の腫脹が出現し,同部のリンパ節摘出にて転移を認めた。
  • 東 順子, 野田 剛弘, 英 真紀子
    2006 年 5 巻 6 号 p. 424-429
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    2005年12月から5ヵ月間に当科を受診した小中学生のTrichophyton Tonsurans (以下 T.tonsurans) 感染症の14例を報告した。女子1例を除きすべて同じ柔道教室の男子であった。
    診断は検鏡およびDTM®培地(フジセイヤク)での培養所見より行った。7例は分子生物学的にT.tonsuransと同定された。症状は落屑性紅斑,粃糠様落屑性脱毛斑,黒点,ケルスス禿瘡であった。ステロイド外用剤を使用していた症例は3例,症状が拡大しているのに1~3ヵ月間抗真菌剤を外用し続けていた症例があった。
    T.tonsuransは実験的には他の菌より早く角層に侵入し毛内性大胞子を形成する。周囲への感染拡大を防ぐためにも早期に経口抗真菌薬の内服が必要である。
  • 田邉 洋, 寺田 麻衣子, 長谷井 麻希, 小川 晴子, 安澤 数史, 河崎 昌子, 望月 隆, 石倉 直敬
    2006 年 5 巻 6 号 p. 430-434
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    石川県下某中学高校柔道部で発生したT.tonsurans感染症3症例をもとに,ブラシ検査法施行上生じうる問題点とその解決法につき検討した。
    症例1は,ブラシ検査では陰性であったが,10日後の受診時に毛髪の真菌鏡検が陽性であった。症例2は,ブラシ検査が1週間持続的に1~2コロニー陽性で,5ヵ月後に200コロニー以上の陽性となった。症例3は,8週間の塩酸テルビナフィン内服治療後に直接鏡検で毛内寄生を認め,イトラコナゾール内服に変更した。
    ヘアブラシ検査はT.tonsurans感染症の集団のスクリーニングには有用な方法であるが,持続感染例や難治例があり,1回のブラシ検査で即断せず経過を臨床的に観察し治療方針を決めていく必要があると考えた。
  • 深尾 真希子, 瀬里 亜希子, 橋本 佳子, 磯貝 理恵子, 川原 繁, 川田 暁, 矢野 泰弘
    2006 年 5 巻 6 号 p. 435-439
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    症例1は2歳の男児。奈良県十津川村のキャンプ場に行った。1週間後に頭部の痂皮の付着を認め,剥がしたところ虫であることに気づいた。その後,虫体を持参して,当院を外来受診した。虫体はキチマダニHaemaphysalis fiavaの雌の成虫と同定した。症例2は64歳の男性。東大阪市の瓢箪山に畑仕事に行った。その1週間後に前胸部の脂漏性角化症の治療目的で当院に来院した。炭酸ガスレーザーにて切除の際に,医師が左乳頭下方にマダニが咬着しているのを発見した。虫体はフタトゲチマダニHaemaphysalis longicornisの雄の成虫と同定した。2症例ともに受診時,マダニの口器の残存を防ぐため刺咬部皮膚を切除した。チマダニ属は,自然界では野生動物では雌雄とも吸血固体が採集されるが,人体では幼・若虫と雌成虫によるマダニ刺症の報告はあるが,雄成虫の記録はない。今回我々は,近畿地方では報告の少ないチマダニ属のキチマダニの雌成虫と極めて稀であるフタトゲチマダニの雄成虫のマダニ刺症の2例を経験したので報告した。
治療
研究
  • 國行 秀一, 吉田 有紀, 前川 直輝, 鈴木 伸典
    2006 年 5 巻 6 号 p. 445-449
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    2002年から2005年に皮膚科外来を受診した49例の陥入爪患者に対して爪甲下綿花挿入による治療を行い,治療効果について評価を行い,その有効性について検討した。本法は爪甲下全体に綿花を少量挿入することにより爪甲全体を浮き上がらせ爪甲先端が周囲組織を損傷しないようにして爪甲の伸長を誘導する方法である。Heifetz分類の I 度(炎症期)9例中7例(78%)が,II 度(化膿期)33例中29例(88%)が,III 度(肉芽腫)7例中5例(71%)が「略治」または「改善」となり,49例のうち41例(84%)が「改善」以上の結果を示した。I 度ないし II 度の症例のみならず,III 度の症例に対しても本法が有効であると考えられた。
第8回これからの皮膚科診療を考える会
feedback
Top