皮膚の科学
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セッション1.アトピー性皮膚炎の難治と免疫・アレルギー機序に関する問題
IgEとアトピー性皮膚炎
佐藤 伸一
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2006 年 5 巻 Suppl.7 号 p. B1-B4

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抄録

IgEは健常人でも30~40%に検出され,さらにIgEの存在は,その後のアトピー性皮膚炎の発症を予測しないとされている。またマウス皮膚に抗原を反復投与した場合,IgE産生を誘導しうることから,IgEは皮膚炎の結果であることが示唆されている。しかし,アトピー性皮膚炎全体でみるとIgEはその重症度と相関することから,IgEは増悪因子として作用している可能性も考えられる。アレルゲンの反復刺激によってIgE産生が誘導されることから,ステロイド外用剤などで炎症を早期に抑制することによって,IgE産生を減少させ,IgEによる難治化の対策になりうると考えられる。

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© 2006 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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