抄録
46歳,女性,看護師。以前より手湿疹の軽快・増悪を繰り返しており,アルコールに対するパッチテストが陽性であった。点滴を調剤中に手にそう痒が生じるとともに上肢の紅斑と腹痛が出現した。アルコールを使用せずに点滴を製剤したが同様の症状が出現したため受診した。ストレプトマイシン使用時のみに症状が出現していることが判明した。ストレプトマイシンのオープンパッチテストで即時型反応が陽性で,ストレプトマイシンによる接触蕁麻疹と診断した。その他のアミノグリコシド系抗生剤のオープンパッチテストは陰性であった。手湿疹により皮膚バリアが低下した状況下に経皮的にストレプトマイシンが吸収され生じたと考えられた。