皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
Print ISSN : 1347-1813
ISSN-L : 1347-1813
6 巻 , 1 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
カラーライブラリー
総説
  • 仙波 恵美子
    2007 年 6 巻 1 号 p. 5-15
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    最近の痛み研究の進展につれて痒みの研究も盛んになってきた。痛み・痒みには共通点も多い。どちらも生体警告反応として無くてはならないが,病的な状態,例えば炎症や神経損傷に伴うものは慢性化して苦痛となる。痛み・痒みを受容するC-線維の終末には多くの受容体が発現し,熱・機械・化学刺激に反応する。痛み・痒みに共通のメディエーターも多い。ヒスタミンの痒みを伝えるC-線維,伝達系,脳の活性化領域についてはかなり明らかになっているが,慢性掻痒,例えばアトピー性皮膚炎の痒みを起こす物質,伝達機構には不明な点が多い。痛み・痒みの慢性化は,神経系の可塑的変化に起因するので,早期に痛み・痒みを抑えることが重要である。
症例
  • 中山 由美, 夏秋 優, 定延 直哉, 川崎 加織, 山西 清文
    2007 年 6 巻 1 号 p. 16-21
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    症例は21歳,女性。中学生頃より頚部,両肘窩にそう痒を伴う紅斑が出現し,アトピー性皮膚炎と診断されたが,皮疹はステロイドの外用で軽快していた。平成18年5月末,頚部,両肘窩,両手首の紅斑に対し,市販のブフェキサマク含有軟膏,紫雲膏,テトラサイクリン含有軟膏を外用したが,皮疹は軽快しなかった。6月16日より,近医皮膚科で処方されたブフェキサマク含有軟膏を頚部,両肘窩,両手首に外用すると皮疹が増悪し,全身に紅斑が拡大した。パッチテストを行ったところ,ブフェキサマク,紫雲膏が陽性であった。以上より自験例をブフェキサマクと紫雲膏による接触皮膚炎と診断した。なお,紅皮症をきたした主な原因はブフェキサマクであったと推察された。
  • 村江 美保, 岡本 祐之, 堀尾 武
    2007 年 6 巻 1 号 p. 22-25
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    46歳,女性,看護師。以前より手湿疹の軽快・増悪を繰り返しており,アルコールに対するパッチテストが陽性であった。点滴を調剤中に手にそう痒が生じるとともに上肢の紅斑と腹痛が出現した。アルコールを使用せずに点滴を製剤したが同様の症状が出現したため受診した。ストレプトマイシン使用時のみに症状が出現していることが判明した。ストレプトマイシンのオープンパッチテストで即時型反応が陽性で,ストレプトマイシンによる接触蕁麻疹と診断した。その他のアミノグリコシド系抗生剤のオープンパッチテストは陰性であった。手湿疹により皮膚バリアが低下した状況下に経皮的にストレプトマイシンが吸収され生じたと考えられた。
  • 中山 由美, 夏秋 優, 山西 清文
    2007 年 6 巻 1 号 p. 26-29
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    35歳,女性。妊娠17週より下肢に軽いそう痒を伴う紫斑が出現し,徐々に上肢,背部に拡大した。妊娠28週で当科受診。初診時,四肢,背部に直径1cm前後の紅褐色斑が多数存在し,斑には点状の紫斑が混在していた。検査所見では異常を認めず,組織所見では,真皮上層の血管周囲にリンパ球浸潤と赤血球の血管外漏出を認めた。以上よりSchamberg病と診断した。皮疹は,ステロイド外用によりわずかに軽快したが,妊娠末期まで四肢,背部に紅褐色斑が残存した。その後,出産後約1ヵ月で皮疹は完全に消褪した。このことから,自験例の皮疹は妊娠に伴うデルマドロームの可能性があると考えた。
  • 岸田 昌之, 永田 佳子, 尾本 光祥, 林 進
    2007 年 6 巻 1 号 p. 30-32
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    30歳,女性。左4指の爪甲剥離を主訴に当科を受診した。爪甲剥離以外に眼球突出を認めたため,甲状腺関連の血液検査をしたところ,甲状腺機能亢進状態であった。内科を紹介受診し,バセドウ病と診断された。抗甲状腺薬で治療を開始し,甲状腺機能の改善とともに,爪甲剥離も改善した。甲状腺機能亢進症に爪甲剥離を伴うことがあり,Plummer’s nailと呼ばれている。この症状は,第4指爪甲に初発し,次第に他の指にも拡大すると記載されている。日常診療において爪甲剥離症をみた場合,それがたとえ1指のみでも,(特に4指の場合は)甲状腺疾患にも注意しながら診察する必要がある。
  • 木村 文子, 上出 康二
    2007 年 6 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    72歳,男性。比較的急速に増大する左第1指間の皮下腫瘍を主訴に受診した。皮下腫瘍は3cm大で波動を触れ,下層に2cm大の硬結を触知した。皮下腫瘍の切開で血性膿汁の排泄が認められ,下層の硬結は組織学的には肉芽腫であった。肉芽腫内にはGrocott染色で黒色を呈する真菌糸状体と思われる構造物が散見された。膿汁,肉芽組織の両者からTrichophyton rubrumが分離され,白癬性肉芽腫と診断した。基礎疾患に糖尿病があるが,免疫抑制薬の内服やステロイド外用の既往はなかった。また足爪白癬は認めるが,手に浅在性白癬はなかった。
  • 山中 滋木, 堀尾 武, 植村 芳子, 石田 高明, 西山 利正
    2007 年 6 巻 1 号 p. 38-43
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    62歳,男性。1年以上前から左大腿部の皮下腫瘤に気付いていた。自覚症状が無く放置していたが,軽快しないため受診した。初診時,左大腿内側に表面がやや赤褐色調でクルミ大,弾性軟の単発性皮下腫瘤を認めた。腫瘤の移動性はなかった。表皮嚢腫を疑い,局麻下に切除術を施行した。病理組織学的には,脂肪織内に好酸性外被に覆われ,粗な内部組織を有する索状の虫体を認めた。虫体内部には排泄管や筋線維束,Kossa染色で黒褐色に染まる石灰小体が見られ,マンソン孤虫症と診断した。感染経路の特定には至らなかった。術後血清抗マンソン孤虫抗体価が持続的に陽性であったため,駆虫剤を投与し経過観察中である
使用試験
フォーラム
  • 坂井 浩志, 城村 拓也, 武曽 有美, 調 裕次
    2007 年 6 巻 1 号 p. 50-54
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/12/06
    ジャーナル 認証あり
    これまでの市販のダーモコープは比較的高価で,撮影装置の変更ができず光源の設定もできなかった。そこで,新型ダーモスコープを開発し,(1)その性能を評価し(2)作成方法を紹介する。このダーモスコープの特徴は,(1)市販ビデオカメラを撮影装置として利用する点,(2)アクリル製円筒をスペーサーとして用いる点,(3)室内光,無影燈を利用する点にある。このダーモスコープの性能を検討したが,φ3mmからφ20mmの範囲を撮影することができ,室内光,無影燈下で満足のいく画像が得られた。画質の点,照明光源を自由に変更できる点,安価で容易に自作することができる点で優れている。
feedback
Top