皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
Print ISSN : 1347-1813
ISSN-L : 1347-1813
症例
爪甲剥離症を契機にバセドウ病が発見された1例
岸田 昌之永田 佳子尾本 光祥林 進
著者情報
ジャーナル 認証あり

2007 年 6 巻 1 号 p. 30-32

詳細
抄録
30歳,女性。左4指の爪甲剥離を主訴に当科を受診した。爪甲剥離以外に眼球突出を認めたため,甲状腺関連の血液検査をしたところ,甲状腺機能亢進状態であった。内科を紹介受診し,バセドウ病と診断された。抗甲状腺薬で治療を開始し,甲状腺機能の改善とともに,爪甲剥離も改善した。甲状腺機能亢進症に爪甲剥離を伴うことがあり,Plummer’s nailと呼ばれている。この症状は,第4指爪甲に初発し,次第に他の指にも拡大すると記載されている。日常診療において爪甲剥離症をみた場合,それがたとえ1指のみでも,(特に4指の場合は)甲状腺疾患にも注意しながら診察する必要がある。
著者関連情報
© 2007 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top