皮膚の科学
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症例
ヒルドイド®ソフトによる接触皮膚炎の1例
中山 由美夏秋 優山西 清文
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2007 年 6 巻 2 号 p. 89-93

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抄録
33歳,女性。複数の医療機関でアトピー性皮膚炎と診断され,種々の外用剤を使用していた。某皮膚科でヒルドイド®ソフトを処方され外用していたところ約2週間後から塗布部にそう痒を伴う紅斑が出現し,使用を中止。その後,別の医院でもヒルドイド®ソフトを処方され塗布したところ,翌日から塗布部にそう痒を伴う紅斑が出現して次第に悪化した。皮疹はステロイド外用により軽快したが,原因検索を希望して当科を受診した。初診時,頸部から上肢,前胸部に比較的境界鮮明な紅褐色斑を認め,上腕の上方や前胸部の一部に正常皮膚が残存していた。パッチテストの結果,ヒルドイド®ソフトが陽性,成分パッチテストでは,グリセリン脂肪酸エステルが陽性であった。以上より自験例をヒルドイド®ソフトに含まれるグリセリン脂肪酸エステルによる接触皮膚炎と診断した。
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© 2007 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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