皮膚の科学
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症例
甘草誘発性偽アルドステロン症をきたしたアトピー性皮膚炎の1例
井本 恭子宮川 幸子
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2007 年 6 巻 2 号 p. 94-97

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抄録
19歳,女性。幼少時に,アトピー性皮膚炎と診断され,平成8年5月22日より当科に通院していた。平成9年9月中旬より皮疹が悪化し,同年10月15日よりツムラ加味逍遥散エキス顆粒®とツムラ越婢加朮湯エキス顆粒®を投与した。11月20日より顔面,下腿に浮腫が出現し,血漿レニン活性,血中アルドステロン濃度の低下を認めたことから,両漢方製剤に含まれる甘草による偽アルドステロン症と診断した。両漢方製剤の中止と利尿薬,ステロイドの投与により,浮腫,皮疹は軽快し,検査値も正常範囲内に回復した。
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© 2007 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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