皮膚の科学
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症例
バラシクロビルを投与された腹膜透析患者に生じたアシクロビル脳症の1例
藤井 弘子谷岡 未樹松村 由美宮地 良樹松原 雄
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2007 年 6 巻 4 号 p. 372-375

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抄録

50歳代男性,腹膜透析中。顔面に散在する水疱を主訴に受診した。Tzanckテストで多核巨細胞が認められヘルペスウイルス感染症と診断した。皮疹の分布より散布疹を伴った帯状疱疹の可能性も高いと考えた。腎機能を勘案して,バルトレックス®(バラシクロビル)1000mg/日(通常の1/3量×7日間)を開始したところ,内服2日目の時点で浮動感,眠気の訴え,高血圧が出現した。腹膜透析を自力でできなくなり,当院救急外来を受診し,入院となった。腹膜透析継続にて精神神経症状は改善した。腎不全患者,透析患者のうち特に腹膜透析患者に外来でバラシクロビルを処方する場合にはクレアチニンクリアランスを考慮した投与量にすべきと考えた。

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© 2007 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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