2008 年 7 巻 4 号 p. 434-437
52歳,男性。2003年12月頃より右大腿部に潰瘍が出現し,近医の治療により一度治癒した。2004年5月頃から再び左大腿から臀部まで潰瘍が出現したため,2004年6月当科を受診した。初診時,右大腿と左大腿から臀部,腰背部にかけて広範囲に有痛性の多発性潰瘍を認めた。潰瘍の辺縁は隆起性で壊死組織を伴っていた。臨床所見および生検標本の病理所見より壊疽性膿皮症と診断した。入院の上ステロイドの全身投与を行い,症状は改善した。なお全身精査の結果,合併症は認められなかった。