アトピー性皮膚炎(AD)患者30名を対象に,株式会社クラレで開発されたエチレン・ビニルアルコール共重合物繊維(メディエル
®)素材の肌着と綿素材の肌着の効果を単盲検ランダム化クロスオーバー試験で比較した。観察部位は肩甲部とし,臨床的評価と角層水分量および経表皮水分喪失量測定を施行した。臨床的評価および角層水分量においては両者間に差はなかったが,経表皮水分喪失量においては統計学的に有意な差が認められた。すなわち,綿肌着着用時にはAD患者のバリア機能は低下したが,メディエル
®肌着着用時にはバリア機能の低下は防止された。よって,メディエル
®肌着のAD患者バリア機能保持における有用性が示唆された。
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