抄録
スギ花粉飛散時に眼瞼などの露出部位に皮膚炎の増悪をみとめる症例の特徴を明らかにし,また再燃・増悪を避けるための対応について,アンケート調査を行った。2003年1月から2007年5月までに来院した眼瞼炎を伴うアトピー性皮膚炎で,経過からスギ花粉が悪化因子と考えられ,かつ,スギ花粉抗原のプリックテストが陽性であった,159例を集計した。男性58例,女性101例で女性に多く,20歳代までの若年者が70%を占めた。また,有効であった予防法や日常生活の留意事項をたずねるアンケートをこれらのうち142例に送付した。タクロリムス軟膏の外用,帰宅後のシャワー浴の有効率が高く,日常生活上あるいは早期治療として有用であると思われた。