皮膚の科学
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―第14回 これからの皮膚科診療を考える会より―
ニキビ患者のQOL向上のために~外用レチノイドへの期待~
林 伸和
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2009 年 8 巻 6 号 p. 793-799

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抄録
2008年秋に待望の外用レチノイドであるアダパレンが上市された。アダパレンでは副作用として外用部位における紅斑や鱗屑,乾燥などがみられるが,症状は軽く継続に問題がない症例が多い。第III相の基剤との比較試験では全顔に1日平均0.58g,1年間の長期安全性試験では1日平均0.46gを使用していた。このことから1日の使用量として0.5gを指導し,その後症状と副作用に応じて症例により増減し,個々の患者に最適な使用量を決定するのが適切と考えられる。また,面皰に対する治療の効果を自覚するのは2から3ヵ月を要し,その後の長期継続でさらなる改善を得ることができる。継続使用の重要性を開始時に説明しておくことも重要である。
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© 2009 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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