アトピー性皮膚炎患者でストレスの関与が疑われた場合は,まず話を聴くのがよい。診断が難しければ心理検査を用いることをお勧めする。治療については症状が軽ければ話を聴いて,つらさを理解することによって改善することもある。またストレスで発疹が増悪することを気づかせることで改善することもある。さらに皮膚科的治療の負担を軽減させる工夫も必要である。これらによっても改善が思わしくなければ,自律訓練法や行動療法などの心理療法や向精神薬を併用する。心理療法で最も重要なことは患者自身にやる気がなければうまくいかないことである。向精神薬については皮膚科医でも使用できるものがあり,いかに内服させるかがポイントとなる。