2009 年 8 巻 Suppl.12 号 p. B654-B658
アトピー性皮膚炎(AD)に心理療法を提供できる病院や施設は限られている。一般的な皮膚科外来で心理療法を行うならば,集団形式での適用が現状に適していると思われる。先行研究では効果的な心理療法は,掻破に対するアプローチとリラクセーション法を含めたストレス・マネージメントの両方の組み合わせであることが明らかになっている。しかしながら筆者らが作成したこれらの技法を組み合わせた集団心理療法の予備研究では,集団療法にどのように参加を呼びかけるかも重要な課題であることが示唆された。今後は行動変容ステージモデルを援用し,それぞれの変容ステージに応じたアプローチが有用であるかもしれない。