皮膚の科学
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症例
著しい末梢神経障害を残した Churg-Strauss 症候群
谷口 友則江藤 宏光前島 英樹齊藤 典充勝岡 憲生
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ジャーナル 認証あり

2010 年 9 巻 1 号 p. 59-63

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抄録

61歳,女性。アレルギー性鼻炎の既往歴があり,両下腿に紫斑と血疱,浮腫を伴う紅斑を認め,しびれを伴っていた。検査所見では,末梢血好酸球数の上昇と MPO-ANCA 陽性を認めた。病理組織では,真皮全層にわたって好酸球浸潤と壊死性血管炎の像があり,Churg-Strauss 症候群と診断した。ステロイド剤とシクロホスファミド内服の併用療法を開始し,皮疹は軽快したが,多発単神経炎による末梢神経障害が強く残存した。Churg-Strauss 症候群はステロイド剤の単独治療では臨床的寛解を得られないことがあり,血管炎による臨床症状が進行する前に,速やかに免疫抑制剤併用を検討すべきである。

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© 2010 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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