皮膚
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尋常性座瘡, 尊麻疹, アトピー性皮膚炎におけるFAD効果の検討
伊藤 直子蜷川 よしみ松永 佳世子早川 律子
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1986 年 28 巻 3 号 p. 235-241

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抄録

赤血球グルタチオン還元酵素 (EGR) 活性法を用いて皮膚疾患とVB2欠乏との関連について検討した。対象は尋常性〓瘡68名, 蕁麻疹16名, アトピー性皮膚炎30名であった。EGR 活性, FAD 添加後の EGR 活性, FAD効果, 血清総脂質量, 血清過酸化脂質量, WBC, Hb, lgE 値を測定し, 各データ間の関連性を検討した。FAD効果は尋常性〓瘡では, 軽症群1.07±0.05, 中等症群1.15±0.11, 重症群1.21±0.08を示し, 一元配置分散分析法により3群間に有意差を認め (P<0.05), Schefféeの多重比較により軽症例と中等症例および重症例間に有意差を認めた (P<0.05)。中等症以上の蕁麻疹14例中6例が FAD 効果1.3以上の異常値を示し血中 VB2 の欠乏が推測された。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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