皮膚
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トシル酸トスフロキサシン (オゼックス®) による紫斑型薬疹の1例
藤田 弘小楠 浩二今泉 俊資奥 知三
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1995 年 37 巻 5 号 p. 558-562

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抄録

75歳, 女性。当院内科入院中に腎孟炎の治療のために投与されたトシル酸トスフロキサシン (オゼックス®) 450mg/日の内服4日目より四肢を中心に点状紫斑が出現し, ほぼ全身に拡大した。皮膚生検にて真皮上層の血管周囲に好中球とリンパ球を主体とする細胞浸潤と出血を認めた。血小板数, 出血・凝固系検査は正常であった。貼布試験, 単刺試験はともに陰性であったが, 内服試験は陽性であった。トスフロキサシンによる紫斑型薬疹は検索し得た限り本邦での報告例は見当たらないが, 今後ニューキノロン系抗菌剤の使用量とともに増加する可能性があり, 注意を要すると考えられた。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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