抄録
52歳, 女性。右下腹部の痛みを自覚し内科受診。消化管内視鏡にて食道・胃・大腸にポリポーシス, 上行結腸にはBorrmann II型の腫瘤を認め, 生検にて腺癌と診断され切除術を施行。Cowden病を疑われ皮疹の精査のため当科受診。前額部に常色の丘疹, 掌蹠に白色の丘疹, 前腕・下腿に扁平疣贅様の丘疹, 歯齦にも白色丘疹を認め敷石状を呈しており, 舌に皺状舌を認めた
組織所見: 顔面の疹は脂腺の増生が認められたのみで, 下腿の丘疹についてはacrokeratosis verruciformisの像を示した。歯齦の丘疹については, 粘膜上皮の肥厚と表皮突起の延長, 粘膜固有層の線維化が認められた。