抄録
In vitroにおいてアスコルビン酸の存在下では皮膚線維芽細胞は真皮様の重層化した三次元構造を形成するが, アスコルビン酸がどのようにして線維芽細胞の三次元構造を形成するに至るのかについてはまだ詳細に解明されておらず, 今回我々はDNAマイクロアレイを用いて約1000個の既知の遺伝子に対してアスコルビン酸による影響をスクリーニングした。結果, 細胞接着因子, シグナル伝達因子およびフィラメント系を含む多数の遺伝子の発現がアスコルビン酸の存在下で変化することが認められた。このことからアスコルビン酸による線維芽細胞三次元構造は, さまざまな因子が複雑に関与して形成されることが示唆された。