バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
筋粘弾性と運動反射(<特集>運動の制御と評価における反射活動)
吉田 正樹
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1999 年 23 巻 3 号 p. 146-150

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抄録
筋の粘性・弾性係数を推定する手法とそれをヒトの筋に適用した結果について述べた.本推定手法の手順は以下のとおりである.等尺性収縮力を一定に保っている筋に,ランプ状伸展または短縮を加えた時の変位と張力変化を計測する.そして,観測波形と筋の力学モデルの応答が一致するようにモデルのパラメータを設定し,筋の粘性・弾性係数を推定するものである.この手法を,随意収縮時の長母指屈筋に適用した結果,直列および並列弾性係数,粘性係数は,筋の活動レベルと共に増大することを示した.筋の収縮力と筋の粘弾性の同時調節が可能であることは,運動時に外界の変化に対応した適応が可能であることを示している.
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© 1999 バイオメカニズム学会
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