バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
エルゴメータ : 「生体信号による計測制御」(<特集>最新のスポーツ工学 : 用具と施設を中心に)
塩野谷 明長谷川 光彦三宅 仁
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2000 年 24 巻 2 号 p. 93-98

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抄録
エルゴメータの負荷制御について,そのために必要不可欠な生体信号の計測という視点から解説した.生体信号として心拍数を例に取り,負荷変動に対する遅れ時間の存在という問題点を述べた.次に負荷制御は,負荷がヒトに適当か否かを判断することが目的であるという考え方から,その冗長性を増やすために,呼吸数の信号処理によるヒトの生体負担度としてのAT(Anaerobic Threshold)の計測方法とそれを応用した心拍・呼吸数併用制御型エルゴメータについて紹介した.併せて,負荷制御はヒトにあらゆる観点からの侵襲・拘束を最小限に抑えるという条件から,新しい無拘束制御の可能性を探るためにエルゴメータ駆動の3リンクモデルを構築,各リンク駆動に関与する骨格筋にHillの方程式に近似される収縮特性を入力したコンピュータシミュレーションを行った.その結果,実際の駆動とシミュレーション結果に一致をみたため,新しい負荷制御の可能性を確認する.
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© 2000 バイオメカニズム学会
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