バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
医療系と工学系におけるバイオメカニズム教育 : 両者の教育を受けた経験から(<特集>工学系におけるバイオメカニズム教育)
吉田 直樹
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2002 年 26 巻 2 号 p. 86-90

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抄録

医療系と工学系において自分が受けたバイオメカニズム教育を紹介し,その体験から感じたことを述べた.作業療法学では解剖学や運動学を,電気工学ではバイオメカニズムの基礎となる数学などを,生体医工学では理工学的にヒトの運動を理解するための具体的な方法を学んだ.リハビリテーションにおいてバイオメカニズムが使える部分は限られているが,必要に応じてその方法論が使えることは役に立っている.現場で教育とのギャップは感じていないが,工学系出身者と発想の違いを感じたことはある.バイオメカニズムは工学系で学ぶ方が有利だと考えているが,医療福祉に応用する場合には,対象者の「生活の質」など定式化が難しい部分が工学系教育の課題かもしれない.

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© 2002 バイオメカニズム学会
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